泌尿器の主ながん

腎がん、腎盂尿管がん、膀胱がん、前立腺がん、精巣腫瘍 など

腎がん

泌尿器のがんイメージ

腎がんは、腎臓に生じるがんのうち、腎実質の細胞が悪性化したものです。なお、腎盂の細胞もがん化していきますが、これは腎盂がんと呼ばれます。主に50~70歳代で好発しやすいと言われており、男性は女性より2~3倍ほど発生頻度が高くなります。初期の段階ではほとんど症状が見られませんが、ある程度進行すると、発熱、体重の減少、倦怠感、貧血、肉眼的血尿、腰背部の痛み、腹部の腫瘤などが出現します。最近は健診や人間ドックの重要性が広く知られるようになっており、とくに自覚症状が無い段階で発見され、早期治療を開始できるケースも増えています。

腎盂尿管がん

腎盂尿管がんは、腎臓内の尿が集まる組織(腎盂)や尿管にできる悪性腫瘍であり、50歳以上の男性に多く見受けられます。発症の原因は、完全に解明されたわけではありませんが、喫煙や一部の化学物質が関係しているのではないかと考えられています。あまり目立った症状が出ないことも多いのですが、血尿がきっかけで受診し、がんの発見につながることがよくあります。血尿の原因は必ずしも悪性腫瘍とは限りませんが、早期発見・早期治療するための大きなきっかけとなります。「血尿はあるが、痛みはないので放置しても良いだろう」などと自己判断してはいけません。進行すると肝臓や肺などに転移しやすいので、血尿や背部痛などが見られたときは、お早めに当クリニックをご受診ください。

膀胱がん

膀胱がんは、膀胱の粘膜に発生する悪性腫瘍です。高齢男性には比較的に多くみられます。詳しい発症原因は特定されてはいませんが、喫煙、化学物質(アニリン、ベンジン、ナフチルアミンなど)への慢性的な暴露、シクロフォスファミドと呼ばれる薬物の使用などにより、リスクが高まります。主な症状は、肉眼でも確認できる血尿です。頻尿や排尿時痛が見られることもあります。痛みや体重減少などの自覚症状は、ある程度まで進行しないと出現しないことが多いです。他の多くの泌尿器がんと同様、進行すると治療が厳しくなります。高齢男性の方は、少しでも違和感を覚えたときは泌尿器科をご受診ください。膀胱がんが疑われるときは、血液検査、膀胱鏡検査、尿細胞診、腹部超音波検査などを行い、診断をつけていきます。
膀胱がんの経尿道的手術(TURBT)の術後の患者さんの定期膀胱鏡検査も対応可能です。
お気軽にお申しつけください。

前立腺がん

前立腺がんは、文字通り前立腺に発生する悪性腫瘍です。初期の段階では目立った症状が現れませんが、ある程度進行すると排尿困難や排尿時痛、血尿、残尿感などが見られます。このような症状は前立腺肥大症でも起こりますが、前立腺がんの場合は生命にも直結するので、放置していてはいけません。骨や肺、リンパ節にも転移しやすく、これに伴って腰背部痛、骨折、脊髄の麻痺といった症状が現れることもあります。血液検査(PSA検査)によって比較的に早い段階から異変を確認することができますので、中高齢男性の方は、定期的な受診を欠かさないようにしてください。

前立腺がんが気になる、他院でPSAが高いと言われた、グレーゾーンの経過観察をしてほしい等お気軽にお申しつけください。
また前立腺がん術後の経過観察、放射線治療後の経過観察も対応可能です。
前立腺がんに対するホルモン療法(注射・内服)も当院で可能です。

精巣腫瘍

精巣腫瘍は、男性の精巣にできる腫瘍であり、20~30歳代の若い世代で発生することが多いと言われています。良性の場合もありますが、多くは悪性です。罹患率が高いとは言えないのですが、急速に進行するケースもあり、注意が必要です。主な症状は、陰嚢が腫れて大きくなる無痛性陰嚢腫大です。初期段階での痛みはほとんどありません。進行すると肺や肝臓、脳などに転移し、それぞれの部位で腫瘍に関連した症状がみられるようになります。発症原因に関していうと、完全に特定された訳ではありません。ただし、停留精巣、精巣外傷、妊娠時のホルモン剤投与、萎縮精巣などの方はリスクが高くなります。

患者さまの訴えや症状などから精巣がんが疑われるときは、超音波検査などを行います。これによって精巣腫瘍の有無を確認します。必要に応じてCTやMRIなどの画像検査、腫瘍マーカーを確認するための血液検査なども追加します。